出産はドラマである。
まだ、記憶の新しいうちに幾つかの出来事を書き留めておこうと思う。
まずは、妊娠が分かったのは、私の誕生日の日であった。昨年の11月のことである。その日に、たまたま、初めて妊娠の尿チェックをしたのだ。その検査キットは、妻の友人がプレゼントしてくれた。その時私たちは香港のアパート暮らしをはじめたところであった。だから、部屋にはほとんど家具も無く、そして壁は前の住人の残した汚れが染み付いているアパートだった。決して不衛生な場所ではなかったが、殺風景極まりないところだった。
そして、その夜、妻がトイレで検査をしてみると・・・妊娠のホルモンが出ているときに現れるマイナスの線が検査器具に現れていたのだ!
そのときの感動は今も覚えている。
その薄暗い部屋の、薄汚れた壁が、なぜか輝いて見えたのだ。
人間は、心に大きな祝福を受けると、視神経の巡りが変わるらしい(これ私の推測)。そして、その部屋が美しく光を放っているのだ。
私の長い(およそ50年)人生の中で、初めて訪れたわが子の妊娠。妻への愛とは別に、さらに与えられた、新しい命への期待。それらがすべて合成された結果が、部屋の輝きであった。
そして、私たちはクリスチャンの夫婦として、聖書の神にイエスの名により感謝した。
私たちの出会いも、そしてこの妊娠も神からの恵みであることを告白し、妊娠生活の守りと祝福を祈った。
まだ、男か女かもわからない。(まだ妊娠して一ヶ月弱)
これが、2009年7月2日に3680グラムで生まれた娘の、この世へのデビューの日の出来事である。
(つづく)


